2017年5月3日(水)〜6月15日(木)※月・火定休
11:00 – 19:00
会場:ブカレスト国立美術館
ブカレスト国立美術館において、個展を開催することとなりました。
1999年10月に同じ会場で最初の個展を開催しており、実に18年ぶりに二度目の個展の機会を持つことになりました。
いずれもブカレスト美術館のご協力と在ルーマニア日本国大使のご推薦によるもので、大変光栄に思い心から感謝申し上げます。
日本の芸術は1945年の敗戦を境に、ヨーロッパ及びアメリカからのアバンギャルドの流れに大きく傾斜しました。中でもルーマニア出身のコンスタンチン・ブランクーシの存在は大きく、私も学生時代から彼の作品に大きな刺激を受けたものです。1999年にはゴルジェ地方ホビッツァ村の彼の生家にも足を運び、彼の家の門、破風に装飾されたルーマニア伝統の木刻を見て、彼のその後の作品展開の原点を見る思いがし、深く感動いたしました。
私の作家活動もこのような時代の動きと先輩たちの芸術活動の影響を受けながらすでに50年以上続いています。そんな私の関心に対して1986年のチェルノブイリ原発事故と2011年の福島原発事故は測り知れない衝撃を与え、私はこれら二つの事故現場を許される範囲で取材して回りました。その時に私の心に去来した諸々の思いが最近の制作活動のバネになっています。
この度の展覧会を機会に、ルーマニアの皆様に日本の現代版画を知っていただき、特にアーティストの方々と交流を広げ、深めて参りたいと思っております。
柳澤紀子